はじめに
給与から毎月引き落とされる社会保険料。 多くの会社員は「なんとなく引かれているだけ」で、仕組みを深く理解していません。 しかし、手取り額は資産形成において最も重要な“土台”です。
社会保険料の仕組みを知ることで、 昇給・転職・家計改善の効果を正しく判断できるようになります。
社会保険料について、下記3つの記事を読んでみてください
このシリーズでは、 社会保険料の基礎から、昇給時の落とし穴、そして私自身の実例まで、 順番にわかりやすく解説します。流れとしましては下記の3つの記事で進めていきます。
【社会保険料①】基礎(標準報酬月額の仕組み)
【社会保険料②】昇給で手取りが思ったほど増えない理由 ☜当記事はココ!
【社会保険料③】私のケース(等級が跳ね上がった理由)
ではさっそく内容に入っていきましょう!
この記事で学べること
・等級が上がるタイミングを把握する
・残業・手当の増減を確認する
・自分の等級の給与レンジを把握する
「どうすれば手取りを増やせるか」がわかります。
まずは4〜6月の給与から標準報酬月額を計算してみよう
4月~6月分の「手当込み・残業代込みの総支給」を給与明細で確認して、下記の計算式をベースに3か月分の平均給与を算出してください。
★参考例
4月給与額 : 300,000円
5月給与額 : 350,000円
6月給与額 : 400,000円
下記の式に当てはめると・・・
4月給与額 + 5月給与額 + 6月給与額 / 3か月 = 3か月間の月あたりの平均給与
(300,000円 + 350,000円 +400,000円 )/ 3 = 350,000円
この場合、3か月分の平均給与は350,000円となります。
さっそく社会保険料を確認していきましょう!
社会保険料が給与から多く引かれる構造
社会保険料は「給与 × 料率」で決まります。
健康保険料率:10%前後
厚生年金保険料率:18%前後
→ 労使折半なので本人負担は約14%前後
つまり、給与が上がると 社会保険料も比例して上がる
等級の仕組み
等級表は「給与の平均額をどの範囲に当てはめるか」で決まります。
自分がどの等級で保険料をいくら払っているか気になりますよね。
確認する方法を説明していきます。
下表を参照ください。例えば年齢35歳で平均給与43万円の場合の社会保険料は下記となります。
健康保険料 + 厚生年金保険料 = 21,670円 + 40,260円 = 61,930円
次の9月から社会保険料として給与から61,930円が翌年の8月まで12か月間引かれることになります。

標準月額算定表のリンクはこちら ※都道府県を選択してください。算定表内容が異なります。
令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
※本表は協会けんぽ(東京都)の最新データをもとに、当サイトで再構成しています。
※数値は公式資料を参照しています。
この算定表は労使折半後の保険料を載せております。本来はこの保険料分を会社も負担してくれてます。
でも、4〜6月だけではない。固定的賃金が変わると途中で変わることがある(随時改定(月額変更届))
ただここで多くの人が誤解しております。「社会保険料は年1回しか変わらない」と思ってますが、 実は 途中で変わるケースがあります。それが 随時改定(月額変更届)と呼ばれるもので、対象になるのは 固定的賃金が変わったときになります。
固定的賃金とは:基本給・役職手当・通勤手当・家族手当など、毎月固定で支給されるもの。
6月に昇給の場合(7月給与から賃金変更)の社会保険料決定の流れ

昇給や手当の増額があれば、 その月から 3か月の平均給与 を計算をすることになります。
そして社会保険料は「実態に近い給与水準」を反映するため、4~6月の平均給与と比較して高い方を採用する。
実に都合がいいようにできている。昇給して給与が上がったのに、 前年の4〜6月の低い給与のまま保険料を計算していたら、 実態とズレてしまうということだろう。
- 昇給で給与が上がった
- その後の3か月平均が明らかに高い
という場合は、 途中で標準報酬月額を引き上げる(随時改定)
随時改定の参考例

昇給前の等級は28(25) ※4月~6月分の「手当込み・残業代込みの総支給」
標準月額報酬:440,000円
健康保険料 + 厚生年金保険料 = 21,670円 + 40,260円 = 61,930円
昇給後の等級は30(27) ※7月~9月分の「手当込み・残業代込みの総支給」
標準月額報酬:500,000円
健康保険料 + 厚生年金保険料 = 24,625円 + 45,750円 = 70,375円
差額 = 61,930円 ー 70,375円 = -8,445円
この場合は2等級上がることになるため、その年の10月から翌年8月までの給料から-8,445円が余計に引かれる計算になる。
※ただし2等級以上上がった場合のみ。1等級だけ上がった場合は昇給前の等級で判定される。
まとめ
昇給は本来うれしいはずのイベントですが、社会保険料の仕組みを理解していないと「手取りが減った…」という違和感だけが残ってしまいます。
この記事で解説したように、手取りが減る理由はシンプルです。
- 社会保険料は“標準報酬月額”という等級で決まる
- 等級は4〜6月の給与(総支給額)で決まるのが基本
- 昇給や手当増で等級が上がると、保険料も自動的に上がる
- その結果、昇給した分保険料も増額されるため手取りが思っていたほど増えない
社会保険料は家計に直結する“固定費”なので、仕組みを理解しておくことで、
- 昇給の効果を正しく判断できる
- 家計改善の優先順位がわかる
といったメリットがあります。
次の記事では、実際に私自身の給与がどのように変わり、 なぜ等級が跳ね上がったのか(③:私のケース) を具体的な数字を使って解説していきます。
あなた自身の手取りがどう変わるのかを知るためにも、ぜひ続けて読んでみてください。
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